社会的養護のもとで育った子ども・若者は、親や親族などに頼ることができないことが多く、施設を退所したあとは学費や生活費などもすべて自分で働いたお金でまかなわなければなりません。
18歳前後の若者が大人たちのサポートなしに自立するには、多くの困難があります。
人との良好な関係を築けず、また、仕事の理解習得がうまくいかなくなると、仕事先で居場所を得ることができず仕事を続けられません。3年以内には約70%が自立のために得た職を失い、同時に住居も失うという深刻な現実があります。後ろ盾のない彼らが新しい職や住居を得ることは容易ではありません。
JAMネットワークは入所中に自立後に必要なコミュニケーションスキルと自己肯定感を育てることが重要と考え、2008年から14年間、のべ110の児童養護施設の子どもたちの自立支援として、ことばキャンプを届けてきました。
子ども向け支援プログラムを受講された施設長の感想
「今、子どもたちに
求められているもの」
千葉みらい響の杜学園
施設長 渡部 靖久
「コミュニケーション力は
生きる力」
社会福祉法人光明会杉並学園
施設長 麻生信也
「ことばキャンプは暖かい
眼差しで励まされる場」
児童養護施設鎌倉児童ホーム
秦 晴彦施設長
「自らを見つめ直す
絶好の機会」
児童養護施設あゆみ学園
丑久保恒行 施設長
人とかかわる時に大事なコミュニケーションの力。
自分の気持ちを知る、相手の気持ちを知る、その上で自分も相手も尊重する自尊他尊のコミュニケーションを楽しいワークを通して身につ けていきます。
少人数の子どもたちと職員が一緒にワークに参加します。
子どもたち は、自分を尊重される安心の場で、自分の意見を発言する楽しさ、話 を聞く姿勢を学びます。
職員の方には、子どもとの対応やことばの引き出し方について、実践 を通して身につけていただきます。
第1回 自己紹介・聞く力を育てよう・伝言ゲーム
第2回 聞き取りワーク・ステレオゲーム
第3回 クッション言葉をつかおう・質問ゲーム
第4回 ポジティブに考えよう・3ヒントゲーム
第5回 インタビューに挑戦!・ジェスチャーゲーム
第6回 クモのすウェブで頭の整理・発表に挑戦・終了式
人とかかわる時に大事なコミュニケーションの力を、年齢に応じたプログラムで身につけていきます。
講座の中では、ケーススタディや対話を通して、仕事においての対応力や、トラブルに巻き込まれないための回避方法、自分の思考のくせや多様性などについての理解を深めるワークを行なっています。
自尊他尊の場で安心して、自分のことばで話すことで自分自身の中で考えが整理されていき、これから自分がどうしたいのか?についてより深く考えることができるでしょう。
<プログラムの流れ>
就活・進学を控えた高校3年生を対象とした面接体験プログラムです。
自分を知り、他人を知り、対話することを学んだ上で、企業等で活躍中の社会人ボランティアと本番を想定した面接体験をします。
また、面談者からフィードバックをいただくことは、子どもの自信につながります。
面接体験・就活を振り返る機会を作り、社会人への心構えを醸成していきます。
<プログラムの流れ>
高校1-2年生を対象としたチームでの議論と発表プログラムです。
少人数のグループで、サポートの社会人を含んだチームで議論して、発表資料を作成し、チームの考えについて発表を行います。
対話を通じて自分以外の人の考え方を知り、その視点を一旦受け入れることを通じて、自分の中の思考の引き出しが増え、物事のとらえ方がポジティブな変化を起こすきっかけになります。
<プログラムの流れ>