児童養護施設職員研修

子どもたちを日々養育する児童福祉施設職員の存在は、子どもたちの心理的困難の改善や、安心感・安全感の再形成、自己肯定感の醸成やコミュニケーション能力の向上を通じて人間関係の形成に重要な役割を担っています。

 

JAMネットワークでは、職員の日々の養育スキル(子どもたちへのかかわり方)向上が子どもたちへ与える波及効果は大きいと考え、ことばキャンプメソッドを基にした職員研修を実施しています。

 

職員の皆さんが、子どものコミュニケーションスキル/自己肯定感を向上させるような養育スキルを持つことで、子どもたちの成長はより加速します。それだけでなく、施設全体でことばキャンプメソッドを学ぶことで、職員同士のコミュニケーションも良好になります。

 

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ことばキャンプ 児童養護施設内定者研修
JAMネットワーク_2023児童養護施設内定者研修v2.pdf
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参加者の声

  • 説明ばかりではなく、ワークが多いため、自分たちの経験や考えを共有しあうことができて、とても勉強になった
  • 子どもへのことばのかけ方はわからないことが多かったのですが「ことばキャンプ」の研修で具体的に教えていただけたことで今後の方向性が見えました
  • コミュニケーションの取り方を施設全体で共有し行うことで子どもとの関係性が気づきやすくなり、今後入ってくる新任職員へ伝えていく事で施設全体で意識的に行っていけると思いました。
  • 子どもとの関係もそうですが、職員間のコミュニケーションの取り方も変わってくるため、より相談の場や連携の取りやすさも違ってくることだと思ったためです。

児童養護施設の子どもと職員のプログラム

安心と安全を与えてくれるはずの親から、いつ終わるとも知れない暴力や暴言を受け、または育児放棄され続けた子どもたちが、やっとの思いでたどり着く場所である児童養護施設。

ことばキャンプは、話す力、聞く力を楽しく学ぶプログラムです。

暴力でなく自分の気持ちや考えをことばによって表現できるようになり、人の話を聞けるようになります。

こうした目的を施設の職員の皆様といっしょに力を合わせて取り組みます。

子どもと職員がいっしょになって参加することで、日々の養育に生かすヒントが得られることでしょう。

 

施設内コミュニケーションが円滑になる

ことばキャンプの職員研修では、コミュニケーションの基礎を楽しく学びます。

コミュニケーションの苦手な子どもたちに対しての声かけやことばの引き出し方法など、実践的な内容なので日々の養育に生かすことができます。

また、プレゼンテーションやフィードバックといったビジネススキルの習得、自発的に行動するために行動変容を促したり、仕事にやりがいを感じるモチベーションアップを図るなど、人材育成の研修としてもご活用いただけます。

コミュニケーション力を磨く研修を受講することで、職員間のチームワークが良くなり、施設内コミュニケーションの円滑化に寄与することでしょう。

① 新任職員研修(基礎研修) 2時間×3回

社会人としての自覚ができ、対人関係能力が身につきます。

養育 現場ですぐ生かせるスキルと心構えを学びます。

座学だけではなく対話・ワークショップの多い講座でインプットだけでなくアウトプットを行います。

 

〈プログラム例〉

  • 自尊他尊のコミュニケーション
  • ほめる、しかる
  • 肯定的なフィードバック 

新任職員研修(基礎研修) はオンラインでも受講が可能です。

Web会議ツールを使用してのオンライン研修も行っています。

2021年は38施設、150名を超える職員の参加がありました。

 オンライン研修のメリット

  • 遠隔地からの参加が可能です。
  • 5名の少人数のグループで学びます。 (単一施設での開催の場合、人数はご相談ください。)
  • 個人単位(複数施設参加)での開催の場合、他施設の職員と交流ができます。

 参加者の声

 

すぐ実践できるスキルが身についた。
子どもへの言葉のかけ方はわからないことが多かったのですが「ことばキャンプ」の研修で具体的に 教えていただけたことで今後の方向性が見えました。
説明ばかりではなく、自分たちの経験や考えを共有しあうことができて、とても勉強になった。
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新任職員研修アンケート (1).pdf
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②中堅職員研修

中核を担う職員としてのスキルアップをめざします。

自分で考え自発的に行動する、次世代のリーダーとなる人材を育てます。

仕事に誇りとやりがいを感じ、後輩をモチベートできるようになります。

 

 

〈プログラム例〉

  • 信頼される聴き方
  • モチベーションをアップする
  • ファシリテーションで会議を活性化する

③リーダー職員研修

 組織の課題にアプローチする方法を考え実践します。

組織自体のモチベーションを高め、リーダーとしての自覚を深めます。

 

〈プログラム例〉

  • 組織の課題を考える
  • アプローチ方法
  • 実践レポート

職員研修 + 子どもプログラム

 職員研修プログラムをより実践に生かすために、子ども向けプログラムを組み合わせています。

職員研修の実践の場として子どもプログラムを活用します。

 

〈プログラム例 中堅職員研修+新任職員研

  • 新任職員研修として子どもへのアプローチ法を学ぶ。
  • 中堅職員として新任職員をモチベートするスキルを学ぶ。
  • 子どもプログラムで実践する。
    (子どもプログラム詳細については子ども向け研修ページを参照してください)
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児童養護施設パンフレット表紙.pdf
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児童養護施設パンフレット内容.pdf
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参加者の声

ことばキャンプの時間と場所が、誰かに責められたり、正解でないといけなったりするような場所ではないことがわかってきて、子どもたちは堂々と自分の意見を発表するようになりました。
ことばキャンプでは自分の意見を言えば必ず先生は褒めてくれ、職員や子ども達からも「花まるメッセージ」をもらえる。
これは子どもにとって大きな安心感に繋がっていたと思います。
私はことばキャンプを通してこの安心感こそが子どもたちの成長にとても大切なものだと感じました。
日々の暮らしの中でも子どもたちの言葉に耳を傾け、受け止め、時には励まし、褒める。
この毎日の繰り返しが子どもたちに安心感を与え、子どもたちの意欲や自信に繋がっていくと思います。
子どもたちの一つ一つの言葉を大切に、これからも養育に向かっていきたいと改めて感じています。
プログラムを通して、参加する皆が他者と共有して生きている、生かされていることを感じることのできる時間ではないかと考えます。
プログラム終了後の私は、子ども達へのアプローチは思慮深くなり、大きな問題行動にどう対応するかではなく、生活場面での継続性のある直接的、間接的なアプローチがいかに大切であるかを強く認識することができました。
コミュニケーションを苦手とする子どもたちに対してのことばかけやコミュニケーション法を学ぶ時間となると思っていましたが、自分自身の思考の特性について学ぶことができ、強み弱みについて毎回考える時間となりました。
参加させていただいた職員も発言数が増えたり、人前で話すことが得意でなかった人も、回数を重ねることで自信がついてきていると変化を感じた時間でした。

研究会の開催

2020年

青山学院大学教授・小児精神科医古荘純一先生のご登壇

「全国600の児童養護施設児童のコミュニケーションについてのアンケート」調査結果


「全国600の児童養護施設児童のコミュニケーションについてのアンケート」調査結果

 

青山学院大学教授・小児精神科医古荘純一先生 講演会

 

 「自己肯定感で子どもが伸びる」


2019年

第7回 ことばキャンプ研究会

神奈川県の児童養護施設における子どもの自立支援事業(5年間)報告会


神奈川県の児童養護施設における子どもの自立支援事業(5年間)報告会

「子どもの自己決定と自立支援」

神奈川県立保健福祉大学教授 新保幸男先生 講演会

NPO法人フェアスタート代表 長岡鉄平氏

パネルディスカッション

 

2017年

第6回ことばキャンプ研究会

 

「子どもたちの自立のためにできること」

児童養護施設 いわき育英舎 市川施設長 講演会

「いわき育英舎でのことばキャンプ」

「施設のなかで育てるたくましさ」

 〜児童養護施設で育った経験から〜

 

  児童養護施設で育った若者によるパネルディスカッション

2016年

第5回ことばキャンプ研究会

児童養護施設の子ども達の「遊ぶ」を学ぶ

~子どもたちの健やかな自立をめざして~


TOKYO PLAY代表

嶋村仁志氏 講演会

「遊ぶを学ぶ」

ワークショップ

 

2014年

第4回ことばキャンプ研究会

午前の部 (一般公開)

フィンランドに学ぶ へこたれない心の育て方


午後の部

児童養護施設関係者対象 研究会

 

自立のための環境づくり

~将来の見通しをつけるために養育の中でできること~ 

 神奈川県立保健福祉学部教授新保幸男先生

児童養護施設の職員によるパネルディスカッション

「施設の現状と課題」

2013年

第2回ことばキャンプ研究会

青年期のコミュニケーション

 

阿部徳一郎先生 講演会

2012年

第1回

ことばキャンプ研究会

発達障害とコミュニケーション

 

「虐待と発達障害の子どもたちとの対応のしかた」 

阿部徳一郎先生 講演会

NPO法人アスペ・エルデの会顧問

砦前クリニック医院長 阿部徳一郎先生講演会